第6回 もうひとつに戦争展TOP
第六回「もうひとつの戦争展」開催にあたって

 ヨーロッパに行くと絢爛たる王宮、街を飾る華麗な建築物、莫大な収蔵物を誇る博物館を目にする。
 これらは白人が数百年に亘り狡猾かつ無慈悲な植民地支配によって、中南米、アジア、アフリカから
収穫した富の上に築かれたものである。大東亜戦争の結果、白人の植民地支配は終り、世界は沢山の独
立国家を生んだ。
 日本が成し遂げた偉業は世界史に燦然と輝いている。
 昭和十八年十一月、日本は独立したばかりのアジアの首脳を東京に招いて、大東亜会議即ち、アジア
首脳会議を開催した。大東亜会議はアジア民族の独立と共存共栄を謳い上げた。今までアジア人が交渉
する相手は常に宗主国の白人だけで、アジアの隣人とは顔を合わせる事がなかった。この会議に集まっ
たアジアの首脳たちは、大東亜戦争勃発を好機と捉え、日本を味方につけて白人から独立を勝ち取った
英雄たちである。彼らに協力した日本人も、日本が対英米戦に勝つことと等しく、アジアの白人からの
解放という崇高な理念を持って働いた英雄たちである。藤原岩市とチャンドラ・ボース、鈴木敬司とア
ウンサン、今村 均とスカルノ等はみな高い理想と高潔な人格を持って日本とアジアのために献身した。
また、マレー在住の一日本青年、谷豊は日本人であることに目覚め、日本の勝利とマレー解放に命をか
けた。
 戦前には八田與一、後藤新平など日本人でありながら、台湾人や満州人の福祉の為に気宇壮大な計画
を建て実行した偉人たちもいる。彼らは皆今の日本人が失くした高貴な魂を持っていた。その高潔な人
格は何処から来たのであろうか。アジアの盟主としてアジアの解放という高い理想を持っていたからで
はないだろうか。
 日本が戦争に負けると戦勝国の米国は復習を恐れ日本から光輝ある歴史を奪った。明治維新、日清・
日露戦争、大東亜戦争で活躍した英雄たちは教科書からみな消されてしまった。昭和二十七年日本が主
権を回復した後も日教組や反日的マスコミが米国の政策を受け継ぎ、乃木大将も東郷元帥も学校で教え
られないままである。取り分け大東亜戦争でアジアの解放に活躍した日本の英雄たちは「侵略戦争」と
いう一言で片付けられ、日本人の殆どがその名すら知らない。戦争に負けた日本は自国の歴史と歴史を
飾る英雄を失ってしまった。
 日本は戦前までアジアの希望の星、アジアの盟主であった。今、再びアジアの盟主となって、アジア
と世界の平和と繁栄に貢献しなくてはならない。そのために先ず誇り高き日本の歴史と高貴な英雄や偉
人を復活させねばならない。本パネル展示がその歴史をわが手に取り戻すよすがとなれば、これに勝る
喜びはない。

                     平成十九年八月十一日「もうひとつの戦争展」企画委員
                                          井上寛康